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宇宙航空エンジングループ

社内研究

ロケットエンジン用極低温電動ポンプの研究開発

当グループはロケットエンジンの低コスト化・高性能化を目的とし、キーコンポーネントである極低温電動ポンプの研究開発を実施しています。

-特徴-
大きな出力が求められるロケットエンジン用ポンプの駆動源に電動モータを使うとモータには大電流が必要となるので大重量・大型化してしまいます。しかしモータコイルを極低温の推進剤で冷却できれば、コイル抵抗が減り多くの電流が流せるため同じ出力で小型・軽量化が可能となります。

-ロケットエンジン適用のメリット-
現在多くのロケットエンジンの推進剤ポンプの駆動には大きなパワーを得やすいタービンが採用されています。この従来型のロケットエンジンと比較し、電動ポンプを採用した場合以下のメリットが見込まれます。
・エンジン構造の簡素化
・高温部削減による信頼性向上
・電動駆動なので推力制御が容易
これらのメリットから電動ポンプ型ロケットエンジンは低コスト化が可能となります。

 

 

 

 

 


-運用範囲-

電動ポンプロケットは搭載ペイロード数十kg~100kgが運用範囲となります。液体メタンと液体酸素を推進剤とした2ton級エンジンを複数にクラスタリングし、必要となる推力を発生させます。

-ビジネス-
電動ポンプロケットはその運用範囲から低コスト・短期間で開発できる小型人工衛星の打ち上げに適しています。現在世界では小型人工衛星ビジネスが活発化していて、ロケットエンジン用極低温電動ポンプの実現は宇宙産業のさらなる飛躍につながります。



-開発試験-

電動モータ部を液体窒素で冷却した状態で高速回転試験を実施し、回転数70,000rpmの到達を確認しました。今後はモータに羽根車を取り付け極低温電動ポンプシステム試験を実施予定です。